【鈍機翁のため息】(133)再び宿屋の冒険 II 恥じ入る愁い顔の騎士
少年の言葉とはこうだ。《遍歴の騎士さん、かりにおいらが八つ裂きにされているところを見たとしてもおいらを助けたり救ったりしねえで、どうかそのまま見殺しにしておくんなさい。旦那に手出しされてこうむるはずの不幸に比べたら軽いはずだからね。そうさ、旦那も、この世に生まれた遍歴の騎士という騎士もみんな神様に呪われるがいいんだ》。少年が逃げ去ったあと、己の至らなさを恥じ入るばかりのキホーテであった。
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