変わる消費税免税制度 免税店参入促し訪日客増の効果波及
今年10月から改正施行される外国人旅行者向け消費税免税制度の説明会がこのほど、大阪市内で開かれた。観光庁と経済産業省の呼びかけに対し、百貨店や小売店の担当者、ホテルや土産物店など多くの参加者が集まった。改正は、免税対象物品の範囲が拡大され、販売者が保存する文書様式などを簡素化、弾力的になるのが骨子。これまでは家電製品や着物、カバンなどに限られていた免税が10月以降、食品や化粧品などいわゆる消耗品も可能になる。
背景には、訪日外国人客数が昨年1千万人を超え、日本国内での買い物消費額も前年より3割以上多い4632億円と推計されるなど、訪日客のショッピング意欲の高まりがある。政府の成長戦略でもあり、人数の増加率より消費額の方が大きく今後も拡大が有望視されている。
このうち、免税売り上げは1千―1500億円と見込まれており、特に百貨店の免税売り上げは前年比90%増の384億円。全国で約4600店舗の数少ない免税店に訪日客が多数訪れている状況。今回の改正によって免税店の参入を促し、訪日客増加の効果を広く波及させようというのがねらいだ。
説明会では、国内で開封できないようにする包装の強度など具体的な質問が相次いだ。参加したホテル関係者は「今から免税店への申請を行いたい」とし、管轄する国税庁でも早めの申請を呼びかけていた。
多くの参加者が集った説明会