旅行消費額、6年ぶりに増加 12年、目立つ訪日旅行増
観光庁がこのほど発表した2012年の旅行消費額(確定値)は対前年比0.4%増の22・5兆円だった。訪日外国人旅行の消費額の大幅増が寄与し、6年ぶりに増加に転じた。旅行消費額の内訳は、日本人国内宿泊旅行が同1.4%増の15.3兆円(観光目的9.5兆円、帰省目的3.6兆円、ビジネス目的2.3兆円)で、全体の68.2%を占める。日本人国内日帰り旅行が同10.1%減の4.4兆円、日本人海外旅行(国内分)が同7.1%増の1.4兆円、訪日外国人旅行などが同29.6%増の1.3兆円と続く。値としては小さいものの訪日外国人旅行の急増が目立つ。
この旅行消費が日本経済にもたらす生産波及効果は46.7兆円で、これにより399万人の雇用創出効果があると推計。いずれの値も年々減少している。
旅行消費額の減少は06年の30.1兆円から続落していたが、これでやや歯止めがかかった形に。ただ、日本人国内宿泊旅行・海外旅行はほぼ横ばい、国内日帰り旅行は減少を続けていることを考えると楽観はできず、訪日外国人旅行が観光産業だけでなく日本経済に与える影響は今後さらに大きくなりそうだ。