賃貸住宅に泊まる 特区構想受け訪日客向け新サービス
首都圏や関西圏などのアパートやマンションの空き部屋を外国人観光客が宿泊施設として利用できるようにする政府の特区構想に伴い、具体的な事業がスタートする。とまれる(本社・東京)とエイブル(同)が今年夏から賃貸住宅の空き物件に旅行者が泊まれる日本初のサービス「TOMARERU」。2020年の東京オリンピックなどに向けて増加する訪日外国人旅行者を主要ターゲットに、両社が業務提携した。
新サービスは、日本国内の民家に泊まりたいと考える旅行者と、空き部屋や空き物件を持つ不動産オーナーとを予約サイトTOMARERUを通じてマッチングする。
サービスを進める関係者によると「特区指定地域の多くは宿泊施設の稼働率が高く、現在供給不足となっている地域もあります。今後ますます増加する訪日外国人客や、季節により変動する需要を取り込むためには国家戦略特区内ではホテルの増築だけではなく、宿泊施設自らが賃貸マンションを借り上げることも必要です。少なくとも7日以上連泊する顧客向けには自社在庫として提供することで、装置ビジネスの限界を超える収益モデルを実現できるのはないか」と話している。
特区構想は、7日以上の滞在を条件に旅館業法の適用を外して賃貸住宅にも客を泊められるようにするもので東京都や神奈川県など首都圏、大阪府や京都府など関西圏を対象とする。
東京都ホテル旅館生活衛星同業組合は治安維持や公序良俗に大きな影響を与えるとして反対している。