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【鈍機翁のため息(92)】間奏 I

【鈍機翁のため息(92)】間奏 I
 セルバンテス(1547~1616年)の同時代人である画家エル・グレコ(1541~1614年)の作品で何が好きか、と問われたら、一も二もなくプラド美術館にある「胸に手をおく騎士の肖像」と答える。これほど精神の気高さの感じられる肖像画をほかに知らない。灰黒色の背景の中から黒衣の騎士が浮かび上がる。右手を胸におき、かすかな悲しみをたたえた静かなまなざしは、彼岸を見つめているかのよう。このまなざしとともに印象的なのが右手のしなやかな指だ。多くの女性はこの指を見ただけで恋に落ちてしまうのではないだろうか。
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