回転寿司の業態変化
大手回転寿司チェーンのメニューに変化が起きている。回転寿司なのにここ数年、丼やラーメンなどのサイドメニューが増えて、今や寿司店というよりはファミリーレストラン化し、寿司を目的にしない客層が増えているという。ケーキやパフェなどスイーツ系はオープン当初から出されていて、元々サイドメニューに力をいれてきたのは、「生」の素材よりは「生」でない食材の方がムダは出ず、利益率が高いからからだと言われてきた。
そうした事情もあるのだろうが、ここにきての単なる寿司チェーンからファミリーレストランへの業態変化、新たなマーケットを取り込もうとしているにほかならない。
実際に寿司ぎらいの人が顧客になっており、ラーメンや丼だけを食べに来る人も少なくないという。また家族で寿司、ラーメン、丼と1カ所で個々で食べたいものを選べることも魅力になっている。
宿泊業界でも格安で泊まれるチェーン旅館グループも夕食はバイキングスタイルで、宿泊者が食べたいものをピックアップできる点が支持されているように思える。
既存の旅館の料理はこういったチェーン店のようにはいかないかもしれないが、少なくとも消費者は「自分で選びたい」ことを念頭に置いておく必要はあるだろう。
(トラベルニュースat 14年5月10日号)