【話題の本】男女の愛、抜きんでた心理描写 『とらわれて夏』ジョイス・メイナード著、山本やよい訳
アメリカの女流小説家でノンフィクション作家でコラムニストで、日本では自身が18歳のときに35歳年上だった作家J・D・サリンジャーと暮らした日々の思い出を書いた『ライ麦畑の迷路を抜けて』(平成12年に東京創元社から刊行、野口百合子訳)で名が知られた著者の、通算6作目にあたる長編小説だ。ほかに『19歳にとって人生とは』(ハヤカワ文庫、桝田啓介訳)、『誘惑』(講談社文庫、吉野壮児訳)などがある。