未熟、無関心の解消を 全旅連が経営・金融セミナー
全旅連はこのほど、東京・平河町の砂防会館で経営・金融セミナーと個別相談会を開いた。金融についての無関心の解消と、経営者としての事業に対する姿勢を変えるきっかけづくりが目的。全旅連の経営・金融委員会メンバーが自身の未熟だった経験談を披露しながら、経営についてアドバイスした。石橋政治郎委員(大阪市・大和屋本店)は、先代が6億円の年間売り上げ計画のもと金融機関から30億円を借り入れ、経営を引き継いだのちに民事再生で再建を果たした経験を話した。「十分なキャッシュフローを出し、債権者に、この旅館は生き残らせる価値があると思ってもらうことが大事」と、事業そのものの健全性を継続する努力を求めた。
また、岩井美晴委員(兵庫県・奥城崎シーサイドホテル)は「金融は救急・救命の手段でしかなく、経営の体力をつけることが必要です。売上を最大に、経費を最小限にとおっしゃった稲盛和夫さんは、JALの再生にあたって一品一品の原価を尋ねて回っています。ここまでやれているかが大事です」と訴えた。