【書評】『あるときの物語 上・下』ルース・オゼキ著、田中文訳
「一緒に魔法をかけましょう!」。冒頭、こんな台詞(せりふ)が飛び出してきて、最初はどんな夢見がちな少女の話を読むことになるのだろうと思ってしまった。しかし実際に彼女が見せてくれた夢は、壮大で神秘的な現実の味がした。この魔法は、与えられた「時間」を、少しだけ自由にできるようになる魔法だ。もちろん、時計の針はこれからだって同じように動き続けるけれど。
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