「津波、写真、それから」刊行 高橋宗正さん 「不在」を伝える一枚一枚
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県山元町で、ガレキの中から拾い集められた写真を持ち主に返す取り組みが続いている。その中で、傷みがひどくて返せそうになかった写真を一般展示する試みも行われ、海外にも巡回した。写真洗浄から広がったこの活動を記録したノンフィクション『津波、写真、それから』(赤々舎)がこのほど刊行された。著者は写真家の高橋宗正さん(33)。挿入された被災写真と、一人称で記されたドキュメントは「写真」についてのさまざまな思索をうながす。