【きょうの人】「村上海賊の娘」で本屋大賞受賞 和田竜(わだ・りょう)さん(44) 「剛速球で読者の心打ち抜きたい」
史料の読解に1年、構成を固める脚本書きに1年、連載が2年。4年余りを注ぎ込んだ上下巻計1千ページもの歴史小説「村上海賊の娘」(新潮社)で、書店員が最も売りたい本を選ぶ今年の本屋大賞を受賞。第35回吉川英治文学新人賞に続く吉報を引き寄せた。「頑張ったかいがあったかな、と。でも、小説家を目指してきたわけじゃないから何か不思議な感じもします」 少年時代に胸を躍らせたのは映画「ターミネーター」のような米ハリウッドのアクション大作。映画の世界を夢見て、早大時代は劇団に所属、卒業後はテレビドラマのADも経験した。ベストセラーとなった初の小説「のぼうの城」(平成19年)を書いたのも自作脚本の映画化を企画したプロデューサーに「内容を世に知らしめたい」と促されたのがきっかけだ。