日本一高ーいビルの海外旅行専門店 近ツー、あべのハルカスにサロン
近畿日本ツーリスト個人旅行販売(田口久喜社長)が日本一高い300メートルの超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)に、関西地区では初の海外旅行専門店をオープンした。ビルが全面開業した3月7日から営業を開始し、従来店舗にないプレミアム感でテーマ性のある旅行を提案、販売していく。ターゲットは"藤堂さん"一家
店舗は、ハルカス海外旅行サロン。地上60階建てビルの17階、オフィスフロアロビーに設けた。店舗面積は28坪。ダークブラウンやベージュを基調とした内装で、パンフレット棚は低く抑えポスターやポップ類など従来型の店舗に見られるような装飾は廃した。
要員は5人。ウェディングコーディネーター、クルーズコンサルタントの資格を持ちコンサルティング能力に長けた「各店のエースを集めた」(同社関西営業本部・杉浦洋一営業部長)。海外挙式、ハネムーン、クルーズ、海外留学、海外ロングステイなどテーマ性の高い旅行の取り扱いを主とし、事前予約制で時間をかけて旅行相談に応じる。
ウェディングや方面別の説明会、セミナーも定期的に開催。来店客との関係性を高め、スタッフのファンづくりなど「お客様の人生の1ページに私たちが関われるようにしたい」(同サロンの反保布美子所長)という。
落ち着いた雰囲気のサロン。「各店のエース」が相談に応じる
想定する顧客ターゲットは明解だ。大阪南部を代表する高級住宅街、帝塚山に住む藤堂美智子さん(62歳)の家族。歯科医の夫の年収は3千万円で、夫婦そろって音楽鑑賞など文化度の高い趣味を持ち、向学心も高い。近隣のアジアではなく、欧州の再訪などに関心がある。長女は既婚で娘2人、美智子さんは長女と孫の海外留学を検討中。長男は旅行業他社に勤めるフィアンセがいる。だけど、ハネムーンは近ツーに頼もうとしている―などなど。具体的にシミュレーションすることでスタッフの接遇対応やモチベーション向上につなげているのだそうだ。
杉浦部長は「非常に尖った店。ウェブの利便性と正反対を指向しています。お客様1人ひとりに担当者制を敷き生涯に渡ってお付き合いできることを目指しています。我々にとっての試金石」。近鉄百貨店や近鉄電車などグループ会社と連携し、プレミアムな顧客獲得を目論む。売り上げ目標は3年後に7億円を掲げる。
所在地は、大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43あべのハルカス17階。電話06-4399-9500。営業は平日11時-19時30分、土日祝日11-19時。年末年始(12月30日―1月3日)は休み。