【江藤詩文の世界鉄道旅】マハラジャ・エクスプレス(7)“世界一の豪華列車”はインド製…「車両も線路も自国のものに限る」
「世界一豪華な鉄道」として、ギネス世界記録への登録を検討しているマハラジャ・エクスプレス。最新の設備や豪華な食事、行き届いたホスピタリティはもちろん「この豪華列車が、すべてインド国内でつくられていることに意味がある」と、GMのヘイマン氏は言う。鉄道省の管轄のもと、機関車や車両は、南インドのベンガル湾にほど近い、チェンナイにある専用工場で製造された。ゲージは、鉄道省が指定したメーターゲージを採用。「7泊8日、2500キロを超える距離を走行しても、列車を乗り換えたり、車輪の幅を調整する必要がないのです」 20両以上を連結し、全長700メートル以上にもなる列車を牽引するのは、たった1台の機関車。乗客がエクスカーションに出かけているあいだに、進行方向に合わせて、列車の前後に付け替える。運転士は2人1組で、4時間ごとに運転を交代し、毎朝駅に到着すると、待機していた運転士と入れ替わる。保守点検も毎日行われる。ちなみに運転士以外の乗務員は、旅の行程を通して、同じ顔ぶれでサービスにあたる。7泊8日を往復する14泊15日勤務が基本だ。