【書評】児童書　『画本　風の又三郎』藤城清治著、宮沢賢治原著

　「どっどどどどうど　どどうど　どどう」。印象的な一文で知られる「風の又三郎」は、影絵作家の藤城清治さんが「賢治の一番の代表作」と呼ぶ作品。これまでにも挿絵や表紙を手がけてきたが、はじめて絵本として制作した。あえて全文は記さず、影絵１８枚による名場面集として構成。圧倒的な画力で物語の世界に運んでくれる。