「我ら新潟ファン」県の魅力伝える講座(1) 米づくりへ発起、会社ごと移住
新潟県の魅力を伝えるセミナーが大阪市内で行われている。新潟にゆかりのある人を講師に、食文化や風土を紹介する。昨年12月には、新潟に魅せられ会社ごと移り住んだ雑誌「自遊人」の岩佐十良編集長が話した。「自遊人」岩佐さん ライフスタイルに変化を
セミナーは「新潟のええとこ・うまいもんゼミナール」と題し新潟県観光協会が後援。食ライター、落語家、利き酒師らが講師を務め、昨年10月から今年2月まで全5回行われている。
岩佐さんが講師を務めたのは第3回。会場の大阪市北区のアサヒラボ・ガーデンには約60人が集まった。「風は新潟から~本物の食品を求めて」をテーマに、雑誌の発行のほか農業生産法人を立ち上げ、昨秋から宿も開業した自らの取り組みを話した。
東京から新潟へ移ったきっかけは、我が身にも耳が痛い話。不規則で毎夜遅くまで仕事をしながらコンビニのおにぎりを食べている。一方で、誌面ではスローフードなどライフスタイルを読者に提案している。「これはおかしい」と思った岩佐さんは、米の特集を機会に、本格的に米づくりを勉強しようと発起した。
「最初の移転候補地は長野だったんです。社員も長野だったらまあ近いしと、賛成してくれた。だけど南魚沼の生産者に、米づくりの勉強なのにそれでいいの?と指摘されて...」。縁もゆかりもない新潟だったが、自らのライフスタイルを変えるため半ば強引に新潟へ移った。
「皆さんもそうだと思いますが、新潟ってイメージがないでしょ。だけど、実はすごい自然環境なんです。日本百名山は全国で3番目に多い。海岸線は300キロもある」。その環境が海山の幸を保証するというわけだ。
→「我ら新潟ファン」県の魅力伝える講座(2) 食文化にひかれ宿開業に続く
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