旅行会社の選定責任

東京オリンピック誘致の際に話題になった「お・も・て・な・し」と、世界遺産に登録された「和食」。質のいいおもてなしと和食を求めて、正月に旅館に泊まりに行った人もいることだろう。しかし新春早々、旅館の営業担当者によると、宿泊客に対する正月の旅館の対応は見ていられないケースが出ているという。フロント前に置いたお客の荷物を跨いだり、客室までお客を案内しても非常口の説明をしない接待係。駐車場の車のライトがついていたのでフロント係に知らせると冷たい態度をとられたなど、おもてなしのカケラもない姿の目撃談が耳に入ったそうだ。それも業界では一流として名が通っている旅館の話だというから驚く。 個人客がインターネットなどで直で宿泊した場合、どのような対応の旅館であっても自己責任になる。しかし旅行会社が勧めた場合は、旅行会社へのクレームとなり、下手をすれば大事な顧客が飛んでしまう場合もある。 先日、ある旅行業団体のトップは「旅行会社が何を基準に旅館を選んでいるのか、選定責任が問われる時代になっている。旅行会社が勧めた旅館は、旅行会社が責任を持つという気構えが必要で、宿泊施設とはより強固な関係を構築すべきだ」と話していたが、賛成だ。 （トラベルニュースat 14年1月25日号）