【書評】『金正恩の北朝鮮 独裁の深層』黒田勝弘、武貞秀士著
北朝鮮でナンバー2といわれた張成沢氏が処刑され、“金王朝”を継ぐ3代目、金正恩第1書記への関心が高まっている。現在の北朝鮮を読み解くには金日成、金正日の時代から3代にわたって分析ができる複眼的視点が必要だ。現場で30年に渡りウオッチしてきた新聞記者と朝鮮半島問題に長年従事してきた研究者という著者2人は、北朝鮮を見るうえでまさに余人をもって代え難い存在だ。時に正反対の意見をぶつけ合いながら、北朝鮮の実態と壮大な国家像に迫る。対談ならではの臨場感あふれるやりとりが問題点をより浮き彫りにしている。