【未知国へ~「食」を伝える(2)】岩手・クルミ雑煮 隠し味は暮らしの知恵
「明けましておめでとうございます。いただきます」 岩手県北部の三陸海岸に面する岩泉町。元日の朝、内陸に5キロほど入った仮設住宅で、東日本大震災で自宅を失った小本浜漁協の組合長、三田地(みたち)和彦さん(66)一家が、長男で小学5年の駿太郎君(11)の声に合わせ、いっせいに雑煮椀(わん)に箸をつけた。湯気が立ち上る椀から、コンブや煮干しでとっただしやしょうゆの香りが広がる。
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