【書評】『日本代表がＷ杯で優勝する日』中西哲生著

　このタイトル。サッカーが好きな人なら、一度は口にしたことがあるかもしれない。遠い夢として、あるいは冗談として。だが著者は〈２０３０年大会であれば、５０％は可能性がある〉と言い切る。ただの景気づけではなく。過去４回のＷ杯で代表の最高成績はベスト１６だが、優勝を「達成可能な目標」と定めることで、日本のサッカーは進むべき道を見いだせる。優勝国には必ず独自のスタイルがあり、他国の模倣をしても先はない。本書で展開される「日本の良さ＝フットボール・インテリジェンス」というアプローチは、じつに興味深い。目からウロコの一冊。