【鈍機翁のため息】(9)騎士道物語 I 五十にして天命を知る
その男、本名はアロンソ・キハーノという。年齢は50歳前後。16世紀中葉にスペインはラ・マンチャ地方の郷士の家に生まれ、善人としてつつましやかに生きてきた。「拙者は独り者で、今日にいたるまで結婚しようと考えたこともござらぬ」と本人が述べているように独身。20歳前の姪(めい)と40過ぎの家政婦の3人暮らし。他に雑用をこなす下男もいる。
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