【聞きたい。】大貫妙子さん(音楽家) 『私の暮らしかた』
繊細な音楽と透明感のある歌声で世代を超えて人気のある音楽家、大貫妙子さん。札幌にも部屋を借りているが、ほとんどは海や豊かな自然がある神奈川県葉山町で暮らす。本著は日常の出来事を素直につづったエッセー集だ。「それ以上でもなく、それ以下でもなく、そのままです」 こんな一節がある。〈下からの風に煽(あお)られ、舞い上がり、メリー・ポピンズのように空へ行ってしまったのだろう〉。庭のパラソルが強風で飛ばされてしまったという現実の生活の一部を切り取っているのだが、どこか夢がある。その一方で、節電や森林保護の必要性など、芯の通った生き方を主張する。