クルーズ市場、勢い加速(3) 船社は日本市場の潜在能力に注目
船社側もそうだ。9月に都内であった記者会見で、今年から横浜、神戸を起点に定期クルーズを始めたプリンセス・クルーズのアラン・B・バクルー社長は「グレイトサクセス」と1年目を振り返った。「2028年には関西だけで乗船客18万人」
カーニバル・ジャパンの木島榮子社長は成功の要因に寄港地の協力を挙げた。「特に横浜市の協力があったことが、日本発着クルーズという新しいチャレンジの成功につながった」。
プリンセス・クルーズでは14年、既存のサン・プリンセス(定員2022人)に加えダイヤモンド・プリンセス(同2670人)を投入する。横浜、神戸に加えて小樽も母港化し、4―8月の5カ月間に全42航海、10万人の集客を目指す。
外国クルーズ客船誘致は寄港地に賑わいを生む(イメージ)
それに伴い、両船とも「日本仕様」を施す。サンは30億円を費やしスパやインテリアの刷新、寿司レストランのリニューアルやインターナショナル・カフェを新設。ダイヤモンドにはクルーズ客船最大級の大浴場と寿司レストランを設置するという。
前出の児嶋営業部長は、こうした日本向けの設備充実なども追い風に「2028年には関西だけで18万人のクルーズ乗船客を集めることができると思っている」と強気の見通しを示す。
「日本市場の高いポテンシャル」(木島社長)を生かすためにも、経団連の提言にあった「クルーズ観光の効果の分析を進め振興策の検討・実施を加速、クルーズ観光の浸透を図るべき」であり、経団連など経済団体をはじめ、政府や日本政府観光局、全国クルーズ活性化会議、観光関係団体などとの連携が重要になっていくのは間違いないだろう。
(トラベルニュースat 13年11月25日号)
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