映画「利休にたずねよ」公開記念 堺市で特別公開やミニツアー
映画「利休にたずねよ」の公開を記念して、大阪府堺市で11月16-24日の9日間「堺文化財特別公開」が行われる。映画で使われた茶室のセットが公開されるほか、千利休屋敷跡の井戸なども見学できる。映画は、直木賞を受賞した山本兼一さんの同名の小説が原作。堺に生まれ、信長や秀吉と関わりながら"天下一の宗匠"となる利休の生涯に秘められた若い日の恋を描く。利休役に市川海老蔵さん、利休の師匠・武野紹鷗役に市川團十郎さんと親子共演し、細川ガラシャは堺市出身の黒谷友香さんが演じる。12月7日から全国公開。
特別公開は約20の寺社、施設で行われ、堺市博物館や堺伝統産業会館では利休関連の特別展が開かれる。利休が禅の修業を行った南宗寺では、利休好みの茶室「実相庵」を特別公開。妙国寺では、利休作空蝉茶杓や松永久秀寄贈の青磁花瓶を公開する。堺博物館では画像や書状などを展示する「千利休とその時代―ゆかりの資料からよむ」、堺伝統産業会館では「利休にたずねよ」のパネル展などが行われる。
堺市役所21階展望ロビーには、映画で使われた茶室セット「待庵」を展示。わずか2畳ほどの「利休好み」と言われる空間を無料で体感できる。
そのほか、特別公開に合わせて歴史文化講演、観光ボランティアガイドによるミニガイドツアー、利休の世界を体感する「利休バス」の運行、市内ホテルでの期間限定の昼食プランが用意されている。歴史文化講演は期間中3回行われ、16日は南宗寺で「南宗寺と利休さん」(講師=南宗寺第百世住職・田島碩應さん)、17日は妙國寺で「映画『利休にたずねよ』が出来るまで」(映画プロデューサー・森田大児さん)、23日は開口神社で「千利休、その文化表象力」(東洋大学名誉教授・竹内清己さん)。
ミニガイドツアーは期間中の毎日11時、14時からの2回、開口神社からスタートし千利休屋敷跡、妙法寺、臨江寺などを1時間かけてめぐる。無料で、各回30人まで。利休バスは堺市役所を起終点に午前、午後の2コースがある。両コースとも待庵、千利休屋敷跡を見学し、午前コースは妙國寺や妙法寺を訪ね開口神社で呈茶体験がある。午後は、南宗寺や堺伝統産業会館を訪ね堺市博物館で呈茶体験。運行日は16―17、22―24日の5日間。料金は大人1800円、小人1200円(拝観料、呈茶体験込み。お土産つき)。
ホテル昼食プランは、シティホテル青雲荘の堺名物あなご料理のフルコース、ホテルさんルート堺の直径40センチの茶碗弁当、ホテル・アゴーラリージェンシー堺の堺弁当などが用意されている。
映画公開後の12月以降も、京都市とタイアップした利休関連のイベント、特別公開が予定されている。
堺観光コンベンション協会の萩野哲也さんは「待庵は3月まで公開しています。この機会に、利休の世界を体感しに堺市へお越しください」。