大学生のアイデア求む(1) 日観協、産学連携で企画募る
観光を学ぶ大学生に観光まちづくりの企画を募り、表彰するイベントが相次いだ。いずれも地域観光マーケティングや集客など実践的な内容を問うた。優秀な企画は旅行商品としてブラッシュアップするなど、学生のアイデアを汲み上げる取り組みだ。最優秀賞は奈良「あすか歴史探検隊」
日本観光振興協会(日観協)はこのほど開いた産学連携オープンセミナーin京都で、学生による観光振興に関する研究発表を行った。発表とポスターセッション合わせて9大学が行い、最優秀賞には奈良県立大学地域創造学部観光学科の井上美智さんによる「着地型観光と歴史ガイドツアー~あすか探検隊」が受賞した。
最優秀賞の発表は、奈良県立大学3―4年生22人が奈良県明日香村を訪れた修学旅行生や訪日外国人観光客と一緒に「あすか歴史探検隊」を結成し、その実践例をベースに成果や課題を明らかにした。学生、地域、来訪者のメリットとともに、人材育成や地域連携の必要性など、着地型観光の方向性を示したとして、審査委員の舩山龍二・日観協副会長は「具体的に実践している取り組みで素晴らしい」と評価した。
学生がプレゼン
優秀賞は、休暇のずれを活用したインバウンド誘致策を提案した京都大学経営管理大学院生2人による「おこしやす3千万人~需要最適化による観光立国実現に向けて~」、観光=関好(関西が好き)へ笑いをツールとして提案した和歌山大学観光学部観光経営学科6人の「笑都大阪の復権を目指して~関西演芸推進協議会の取り組みを中心に~」だった。
総評として追手門大学の井出明准教授は「皆、熱い心で素晴らしい発表だった」、近畿運輸局の大久保仁局長は「20代の皆さんが真剣に取り組んでいるのを目の当たりにし観光を担当している我々も気を引き締めなければならない」と話した。
→大学生のアイデア求む(2) 観光まちコン、訪日客を大阪へに続く
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