【本郷和人の日本史ナナメ読み】(42)秀吉はなぜ千利休を殺したか
最近、千利休について、あれこれと調べています。そうすると、どうしても、「秀吉はなぜ、利休に切腹を命じたのか」という難題にぶつからざるを得ない。その答えとして、権力者と芸術家の価値観は往々にして激しく衝突し、それは芸術家の処罰、甚だしい場合には賜死(しし)にまで行き着くことがある。たとえば足利義教と世阿弥(佐渡へ流罪)、秀吉と山上宗二(やまのうえそうじ)(斬首)、家康と古田織部(切腹)が例となる。そういうふうに説明してしまって良いものなのかどうか。気になって仕方がありません。