【紅と白　高杉晋作伝】関厚夫（２２１）雷電篇　回天（十）

　長州処分案は、薩摩藩をはじめとする雄藩の意向をたしかめようともせず、一時は「第２次征長」を無理押しするかまえさえみせていた幕府にすれば、譲歩であった。しかし、藩主父子の蟄居（ちっきょ）や１０万石の削減を骨子とするその内容は、木戸貫治（かんじ）（桂小五郎）や晋作（本人は要職につくのをいやがっていたが）を中心とする長州藩政府がとうていのめるものではなかった。