耐震改正法運用面で配慮を 全旅連、自民党などに要望
旅館ホテルなど旧耐震基準の建物で5千平方メートル以上の大規模建築物に耐震診断の義務化と結果の公表を盛り込んだ耐震改修促進法改正案について、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は3月29日、東京・平河町の全国旅館会館で会見を開き、地方組織を中心とした今後の対応について説明した。この問題で全旅連が会見を開くのは改正案の中身が明らかになった2月21日以降、2回目。異例ともいえる会見頻度は、改正案に対する危機感を示すもので、会見では改めて改正案の中身についての業界内への周知と危機意識の共有を呼びかけた。
全旅連では2月21日に開いた理事会で国交省から改正案について初めて説明を受けた直後から対応を協議。自民党三役や自民党観議連(観光産業振興議員連盟)に対し耐震診断や改修についての所有者負担の軽減、助成策の拡充、結果の公表への懸念などを訴えたほか、3月7日にはこの問題に関し自民党観議連総会が急きょ招集され、法案提案者である国土交通省の井上俊之・住宅局長に改正案の問題点を直接質す機会も持っている。この間、全旅連は2月27日には第1回目の会見を開き、耐震改修促進法改正案への関心を喚起してきた。
今回の会見では、こうした一連の協議や対応を踏まえ、全旅連として改正案について新たな要望をまとめたことを説明した。要望は主に改正法案成立後の運用に関わるもので、地方公共団体の補助金制度の確立や耐震診断の結果公表にあたっての「十分な期間の猶予」などを求める内容。要望書は都道府県旅館ホテル組合理事長らが自民党都道府県連三役(幹事長、総務会長、政調会長)、都道府県観議連代表者、市町村長に手渡すことにしている。