いちごを握り潰す客
メディア販売を中心とする旅行会社のツアーは、比較的料金の高いものでも付加価値がついた商品であれば売れるようになってきたという声を聞く一方、底値と言われる料金設定のツアーも相変わらず多い。しかし格安ツアーの現場では、とんでもないことが起こっているらしい。ある立寄り店の経営者は「食べ放題の企画で、食べるだけでなくごっそりと袋に入れて持ち帰られるのは、まだましな方です。いちご狩りツアーで参加した子どもが、いちごを片っ端から『握り潰して』いくんです。親にやめるようお願いしたのですが『お金を払って参加しているのだから、文句を言われることはない』との返事。驚きました。この商売をやめたくなりました」。
旅行会社の担当者にも話したが、お客には何も言わないままだったという。
違う立寄り店の経営者は「そういった格安ツアーを造る若い企画担当者は、安ければ客が集まると思っている者が多い。しかも『安いのが嫌なら受けなければいい。受けるところはいくらでもある』と常に我々には上から目線。こういう姿勢なら協定連盟に入っている意味がない」。
客があっての観光業界だが「いちご狩りの」がいるようなツアーを造って何の意味があるのかと思うが、どうだろう。
(トラベルニュースat 13年4月10日号)