【紅と白 高杉晋作伝】関厚夫(173)疾風篇 国破(十)
元治(げんじ)元(1864)年8月5日(旧暦)の七つ(午後4時)のころ、「藩特使」の任にあった前田孫右衛門にしたがって、井上聞多(ぶんた)が、関門海峡の海上に停泊している英米仏蘭の四カ国連合艦隊のもとへ、講和交渉にむかおうとしたやさき、旗艦のユーライアラス(英艦)から轟音(ごうおん)がひびいた。空にむけた砲撃だったが、これを合図として、のこる16艦が一斉に砲撃を開始し、「馬関(下関)戦争」の火ぶたが切られた。
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