群馬で国内観光活性化フォーラム(3) 地旅普及へ速度上げ
パネルディスカッションは「地旅と地域活性化の方向性」をテーマに前青森大学学長の末永洋一さん、井門観光研究所代表の井門隆夫さん、弁護士の三浦雅生さん、群馬女将の会会長の塚越裕子さん(伊香保温泉・塚越屋七兵衛)、全旅社長の池田孝昭さんが意見を交えた。司会はまちづくり観光研究所の奥坊一広所長が務めた。「地域限定旅行業」も前向きに 連携で地旅促進
塚越さんは群馬県の知名度アップに観光の力を期待した。「群馬県は地域ブランド力調査で全国最下位です。ですが草津温泉も富岡製糸場も群馬県です。群馬の紹介に協力をお願いします。フォーラムを機にトップ10入りを期待しています」。
これを受け池田さんは、それには地旅でお手伝いができると答えた。「地域の誇れる旅行を提案し全国5600の会員に集客をお願いするのが地旅です。地旅は客に満足度を与え、地域を活性化し、旅行業界の発展に寄与します。地旅は女将のホスピタリティを応援します。そうした切り口で地旅の宿ネットワークの構築も考えています」。
末永さんは、地旅のポイントは連携だとした。「ANTAの全国の会員同士の連携や地元の様々な組織、ボランティア団体とのネットワークが構築できれば素晴らしい地旅商品ができます」。
地旅普及を議論
井門さんは、地旅普及をスピードアップさせるよう求めた。「地域に根づいている人が着地型旅行をやらないから企画のプロが育たないんです。観光庁が旅行業法を改正し地旅の普及を後押ししようとしている時代にANTAのペースは遅い」。
観光庁は旅行業法の施行規則を一部改正し4月1日から地域限定旅行業を認める。営業所がある市町村並びに隣接する市町村などの限定された区域についてのみ、企画旅行、手配旅行が行えるようになる。
今回の改正作業に加わった三浦さんは、一層の緩和により着地型旅行専門の旅行業者の参入に期待する。「今回の改正では営業保証金最低額と基準資産額が100万円に減額されました。今後は営業区域ではなく、旅行代金や旅行者の拘束時間などで着地型旅行に認定するような緩和策も必要だと思っています」。
参入規制の緩和への不安に対し、井門さんは新たな事業者との役割分担や連携を勧める。「例えば新規事業者が観光協会だとしたら、連携することで受託販売もできる」。
池田さんも前向きに捉えたいと応じた。「参入のハードルが低くなることを不安視する会員もあります。しかし、私は旅行業者という仲間、地旅に取り組む仲間が増えることをプラスに考えたい。多くの会員が相互に地旅を販売することが国内旅行の活性化につながると思っています」。
(トラベルニュースat 13年2月10日号)
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