【紅と白 高杉晋作伝】関厚夫(126)奇妙篇 誕生(二)
「おもてを上げい。馬関(下関)では苦戦つづきであることはきいておろう。本日も敗報が伝わっておる。藩の危機であり、藩是である攘夷-そして勤王の危機である。本日より馬関の防衛はそちにまかせる。存念を実行し、兵をたてなおしてくれ」 上座の父・長州藩主、毛利慶親(よしちか)のことばに、世子(若殿様)・毛利定広は大きくうなずいた。
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