売れる地旅のヒント(3) ツアータイトルと地元連携が重要
特別賞のうち、アールエイチ企画の「お祝い膳にて還暦祝い―」は一般客約10人と少なかったものの、「ターゲットが明確な点を評価」(井門さん)。一方、セグラスツーリズムエージェンシーの「役者が御案内する浅草ガイドツアー」は、ANTA会員47社約2900人と一般客500人の計3400人を集客。「400円という料金の安さが集客に貢献した。まずはこうした小さな旅を造っていくのも一考」(井門さん、奥坊所長)。地元住民との交流の密度に支持
さらに、三島市観光協会の「三嶋大社正式参拝ツアー」はANTA会員6社約300人に一般客を合わせて900人を集客した。「集客力の弱い資源でも神主の説明、神社内部の拝観などを組み合わせることで魅力をアップできることを証明した」(末永さん)。地域観光プロデュースセンターの「環境船めぐみで行く―」は一般客約30人を集め「地元の人たちとの食談義や交流を主眼に置いたことも見逃せない」(奥坊所長)。
全体的に、その土地ならではの体験や観光を評価し、特に地元住民との交流の密度に選考委員の支持が集まった傾向が見てとれる。その意味で、地域が一体となって取り組む姿が垣間見えるツアーこそ、地旅だと言えるのかもしれない。
末永委員長は総評で「参加商品は年々企画力が高くなってきており、今回も、たいへん質的に高い商品が多かった」とする一方で、過去2回の地旅大賞でも取り沙汰された「タイトルの付け方」を改めて強調。売れる地旅には、消費者に届くようキャッチ・コピーの重要性を指摘した。
加えて「商品の造成時に地元の各種団体、組織との連携と協力、地元食材を盛り込むことを重視し商品販売にあたっては『全旅』のネットワークを活用することなどに留意すれば、より良い商品となろう」とした。
(トラベルニュースat 13年1月25日号)
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