"KNT-CT"新体制スタート 「近ツー」ブランドに回帰
KNT―CTホールディングス(戸川和良社長)を持株会社に近畿日本ツーリスト(小川亘社長)、近畿日本ツーリスト個人旅行(岡本邦夫社長)、クラブツーリズム(岡本邦夫社長)を中心とする体制が1月1日にスタートした。3社それぞれの強みを生かしシナジー効果の最大化を図る。近畿日本ツーリストは団体旅行事業、近畿日本ツーリスト個人旅行は「メイト」や「ホリデイ」などの個人旅行事業、クラブツーリズムはメディア型旅行事業に特化する。ホールディングスは経営企画部、総務部、経理部、監査部などで構成し、グループ全体の経営判断や戦略立案を担う。
近畿日本ツーリストは、ここ数年使ってきた「knt!」のブランドとロゴの使用を止める。旧来の近畿日本ツーリストのロゴを復活させ、消費者に浸透している「近ツー」「近ツリ」を前面に打ち出す。地域営業本部は近畿日本ツーリストの傘下になるほか、インバウンド事業やイベント、コンベンション事業などもグループの中心的な役割を果たす。
近畿日本ツーリスト個人旅行は、提携販売事業も担う。商品の企画造成は、クラブツーリズムのノウハウも生かす。岡本社長は、専門性を高めた店舗展開やウェブ販売とリアル店舗の連携を高める意向を示している。
社員は、それぞれの会社ごとに属し、人的交流は出向などの形をとる。協定旅館ホテル連盟など受入機関との組織については呼称などを含め今後決めていく。
親会社の近鉄のグループ戦略に基づく今回の再編に伴い、日本政策投資銀行(DBJ)がKNT―CTホールディングスの発行済み株式の1.5%を近鉄から取得。DBJでは「我が国の観光産業の競争力強化に資する」として近鉄の旅行事業再編を評価している。