「ディス・イズ・舟屋」 京都・伊根で訪日ガイドツアー
京都府伊根町はこのほど、外国人を対象に、地域のシンボル・舟屋の町並みを巡るガイドウオーキングツアーを開いた。伊根といえば、伊根湾沿いに広がる舟屋の町並み。1階が船のガレージ、2階が居住空間という漁業のまちであるこの地特有の住居で、昔ながらの風情が観光客の人気を集めている。ツアーは、インバウンド施策の強化という観点から、舟屋を中心とする町の魅力を外国人観光客にも深く知ってもらおうと今回初めて企画した。
当日参加した外国人は、近隣在住の米国人6人。地元ガイドの案内で舟屋の説明を受けた後、伊根浦漁業で定置網漁の実演を見学した。江戸創業で女性杜氏が話題の向井酒造では仕込みの現場に触れ、参加者からは日本独特の発酵手法に感嘆の声があがったという。
舟屋の町並みを見学する参加者
ツアー終了後のアンケートでは、舟屋について「生活感を感じる体験は貴重」「海から町並みを見たい。そういうツアーがあればぜひ参加したい」と好評。漁港での魚種の豊富さに驚いた声もあった。
また、当日は同町のゆるキャラ「ふなやん」も同行していたが「米国にはこういう文化はないので興味がわいた。グッズがあればいいのに」という「予想外」(同町地域整備課観光推進室の前田知里さん)の意見も。
同町のインバウンドの現状は、昔ながらの地域資源を保ち続ける地域による「日本で最も美しい村」連合に加盟しており、その発祥地がフランスという関係からフランス語圏の個人観光客が多いことが特徴。メディアに紹介されることから中国人個人客も多い。
前田さんは「インバウンド面の強化はこれからの課題で、今回は手始め。今後も近隣市町と連携するなどしてツアーを実施していきたいですね」と話している。