「お客様の力で蘇る」 阿蘇復活への4カ月(4) 「第2の創業」で意識変革
―3カ月休館してのリニューアル。思い切りましたね。アジアで一番の旅館へ
稲吉 施設が泥で使い物にならなくなったのですから、増改築をしないと営業ができません。これは天からリニューアルのチャンスをもらったのだと捉え、この際自分の思い描く宿にしようと決断しました。これまでとは違う設計士、建設屋を呼び「第2の創業」に取りかかりました。
そのとき女将であり副社長でもある妻が「自分たちが納得できる施設にしましょう」と後押ししてくれたことは、非常に励みになりました。
―リニューアルで何が変わったのでしょうか。
稲吉 これまで館内は「継ぎ足し」できましたから動線がわかりにくく、お客様にご迷惑をおかけしていました。今回を機に非常にわかりやすい動線になりました。
ロビーやフロントも一新し、従来のレストランは大広間として、朝食バイキング会場としても使えるようになりました。30人収容の個室の食事処を5室設けたことで、幅広い客層に対応できるようになったことも大きな前進です。
今回のリニューアルはハード面だけでなく、社員の意識が変わったことも成果として挙げられます。3カ月仕事がなかったことがそれぞれ胸にあるようで、身だしなみやあいさつに至るまで、自分たちで研鑽してくれるようになりました。
今回を契機にアジアで一番の旅館を目指します。ご支援ください。
(トラベルニュースat 12年11月25日号)
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