日本旅館協会発足(6) 会員の財務改善に努力―佐藤会長
―会員メリットにつながる事業として、まず何に取り組みますか。GOP向上へ取り組み強化
佐藤 喫緊な課題は会員の財務状況の改善です。GOP(営業総利益)を最低10%台に乗せることに取り組みたい。そうしなければ、来年3月に中小企業金融円滑化法が終了したときに、経営として乗り切れないことを危惧しています。GOPを一定のラインに上げることにみんなで取り組みたい。
―方策はありますか。
佐藤 例えば消費税ですが、現行の内税表示を外税表示に変えてもらうことで、単純に言えばGOPは5%改善されます。外税表示は消費税10%への税率アップへの備えにもなります。
また、個々の旅館が直販の比率を高めることも必要でしょう。これにより旅行会社への支払い手数料を減らせます。また、クレジットカードの支払手数料は国観連は2・5%、日観連は2・8%ですが、まず一律に2・5%に引き下げる。そのうえで団体が1つになった数のメリット、旅館3千軒の声をバックにクレジットカード会社と交渉し、大手シティホテルやゴルフ場並みの1%台に引き下げる。こうしたことの積み重ねで、GOP10%台への改善を進めたい。理想を言えば個々の会員旅館が15%程度のGOPを出せるような強い宿泊団体にしたいですね。
一方で、あまり効果の上がらない取り組みはきちんと見極めた上で、取捨選択し実効の上がるものに全力投球したい。私はこの1、2年が旅館業界にとっても、新団体にとっても勝負の時だと思っています。その結果によって、旅館業界の未来が見えてくると思います。年内にはいくつかの委員会を設置し、日本旅館協会が進もうとしている方向が明確に伝わるような体制にしたい。しっかりとレールを敷き、スタートダッシュをつけて事業に取り組みたいと思っています。
→日本旅館協会発足(7) 連携強化で発展を―JATA・菊間会長に続く
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