【書評倶楽部】登山家・野口健 『国家救援医 私は破綻国家の医師になった』
ここ数年、アフリカ通いが続いている。旅の目的は社会のA面B面を巡ること。例えばケニアの国立公園に出かければライオンやゾウの群れと出合える。そして用意された高級ロッジ。優雅の一言に尽きるが、ナイロビに戻ると東アフリカ最大のスラム街が。そのスラム街にも訪れたが、貧困、ドラッグ、エイズ、犯罪の世界。ナイロビのゴミ最終処分場にも出かけた。東京ドーム30個以上はあるそのゴミの山に、人々が素手、裸足(はだし)のままゴミあさりをしている姿に胸が痛んだ。