修学旅行の現状―長野県が近畿圏を調査(2)
修学旅行に締める交通費の割合でみると顕著。高い順に▽北海道60.7%▽沖縄58.7%▽九州49.0%▽関東40.9%▽中・四国29.6%に対して、信州は21.2%にとどまる。この結果、信州の修学旅行では他地域にはない特徴として体験学習にかける費用の高さが際立つ。他エリアが4千―8千円台なのに、信州では1万2千円以上になっている。滞在型で体験学習重視
さらに連泊率も信州が高い。63.9%という高率だ。これは、周遊型の九州が14.2%なのは別格としても、信州を除きもっとも高い関東ですら47.5%だ。これらも「1カ所に滞在して体験学習を楽しむ」(長野県関係者)という信州の修学旅行のスタイルを示している。
一方、昨年は東日本大震災のため修学旅行も大きな影響を受けた。近畿2府4県の中学校でも3割が計画を変更した。方面別では、関東の変更数が多い。当初行き先を関東としていた335校のうち、88%に当たる296校が中止もしくは行く先を変えている。その影響は、近畿から見て原発に近づくことになる信州にも及び、計画総数の6%に当たる9校が信州から行き先を変更した。
長野県の担当者によると「旅行会社や先生は了解してくれても、生徒の親の反対が強かった。でも逆に関東からは西北に当たるので代替地として信州への修学旅行が増えた」という。
昨年の修学旅行は完全に"西高東低"だった。近畿2府4県986校の旅行実施方面は、九州が347校と前年から205校も増えた。九州新幹線全通の追い風もあったが、震災の影響だと考えられる。沖縄も51校増え337校だった。逆に関東は286校も減って61校だった。
長野県への修学旅行は今年も堅調で、特に訪日教育旅行は昨年の反動で大幅に伸びているという。長野県では「過去最高だった一昨年を確実に上回りそう」とみている。
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