神姫バス、しらさぎ会総会で旅行事業の再編を説明
神姫バスグループ(兵庫県姫路市)協定の宿泊・受入施設でつくる神姫しらさぎ会(岩﨑元孝会長=鳥取県三朝温泉・依山楼岩崎、346会員)はこのほど、同市の姫路キャッスルグランヴィリオホテルで2012年度総会を開いた。7月の同グループの旅行・観光バス事業の再編について説明がなされた。同グループでは、旅行事業・観光バス事業の体制を再構築。両部門が低迷していたことから、7月2日付で、神姫バス旅行事業部を分社した「神姫バスツアーズ」と観光バス部門の「神姫観光バス」の2社を中間持ち株会社である管理会社「神姫観光ホールディングス」が統括するという新体制を発足させた。
今後の戦略は(1)柔軟な運賃戦略による観光バス受注確保(2)安全管理面強化とコストパフォーマンスの追求(3)主催旅行の集客人員倍増。特に(3)の具体的な施策として、主催旅行専用バスの導入やアテンダント職の新設、商品開発体制やネット販売の強化を行い、旅行事業の発展を目指す。
神姫観光ホールディングスの長尾真社長は「旅行部門の低迷は業界の変化におくれをとったことにつきる」とし、「バス部門と旅行部門の風通しを良くして一体となるために組織を再編することになった」と説明した。
また、ツアー販売目標は10年度実績を5年で倍増と設定。「背水の陣で臨んでいる。直販中心でやっていきたい。ぜひご協力を」と呼びかけた。
同会顧問の上杉雅彦神姫バス社長は昨今の経営環境について説明。「昨年度は売上400億、最終利益13億だったが減収減益と厳しい決算」と振り返り、「創業85周年の老舗だが、バス会社の老舗はここ10年で相次いで経営から手を引いた。神姫グループでもバス事業の割合を相対的に低下させて維持していく手法を継続させるを得ない」と危機感を示した。
さらに、今回の再編についても触れながら、昨今のツアーバス問題にも言及。「行き過ぎた規制緩和が過度の競争を招き、起こるべきして起きた」と批判し、「この事業は安全につきる」と徹底した安全対策に取り組む意思を強調した。
総会には160人が出席。岩﨑会長はあいさつで、「出席者が一昨年は120人だったことを考えると大幅増。これは業界でも珍しいこと。グループの大改革があり、新体制の施策に大きく期待している」と語った。
議案審議ではいずれの議案も可決。今年度は来年3月に講演会と個別商談会を開くほか、引き続き同会会員専用ウェブサイトの運営や増販キャンペーンなどに取り組む。
総会終了後、朝日放送アナウンサーの柴田博さんが講演。ABCラジオの旅番組「ほたるまち旅行社」でパーソナリティーを務める経験から、旅への考えを語った。