日中往来2千万人を実現 中国観光局が旅行会社と懇談
中国国家観光局駐大阪代表処(劉海生主席代表)はこのほど、大阪府貝塚市の奥水間温泉で「西日本観光業界親睦交流会」を開いた。旅行会社の企画担当者ら60人が出席した。交流会では劉主席代表が「2016年の日中観光交流の状況はアンバランスな状況。中国から日本への渡航者が急激に増える一方、日本から中国への旅行者は減少の一途を辿っている」と指摘。
数字面で見ると16年の訪日中国人渡航者は637万人(前年同期比27.6%増)で、訪中日本人旅行者は258万7400人(同3.6%)といずれもプラスに転じたものの「07年のピーク時の訪中日本人旅行者400万人と比較すると、その差は大きい」。
次に中国観光の最大の魅力のひとつとして世界遺産を紹介。16年7月の段階で中国の世界遺産は文化遺産35、自然遺産11、複合遺産4の合計50となっており、登録数はイタリアに次いで世界第2位。アジアでは第1位を誇っている。
観光産業の取り組みとしては現在「トイレ革命」と言われるほど公衆トイレの改善が力を入れて進められていると報告した。また、今年1月に湖西省で開かれた中国観光会議2017で、中国観光産業が15年から40年まで三段階戦略を掲げて世界に通用する観光大国実現に向けての取り組みを行うことが発表されたと伝えた。
劉首席代表は「17年と18年は日中観光交流にとってたいへん重要な年だ。手を取り合って、日中往来2千万人が達成できるように努力したい。ご理解とご協力をお願いしたい」と結んだ。
このあと参加者から訪中日本人旅行者を増やす意見を聞いた。参加者からは「旅行会社の店頭にいる社員が中国の良さを知って売らないと売れない。販売する者に中国への興味を持たせることが大事」「中国から送ってくる情報に新しいものがない」「大手旅行会社の店頭に中国のパンフレットが置いていない。店頭に中国の商品を出してほしい」「20代の女性に人気があるのは上海。30代は映画『アバター』の舞台になった武稜源。絶景を見たい人が多く、昨年は元々の数が少なかったとはいえ300%以上の伸びがあった」「文章よりも絵や動画で中国の魅力を伝えることができるかが鍵」「国との問題が取り沙汰されるが、ファムトリプをはじめ、民と民の草の根交流が大事」といった意見が出た。