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【書評】『神様のカルテ3』夏川草介著

【書評】『神様のカルテ3』夏川草介著
 栗原一止(いちと)は、信州にある「24時間、365日対応」の本庄病院で働く30歳の内科医。秋9月、新しい内科医としてやってきた小幡奈美先生は、経験豊富なうえに腕も確かで研究熱心、一止も学ぶべき点の多い医師だ。しかし彼女は、治ろうとする意欲を持たない患者に対して、まともな診療をしないのだった。抗議する一止に対し、小幡先生は「あの板垣先生が一目置いているっていうから、どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる偽善者タイプの医者じゃない」と言い放つ。さらに、老齢の患者をめぐる大きな試練が、一止を待ち受けていた。「私は、医師がどうあるべきかを、考えることすらしてこなかった。懸命でありさえすれば、万事がうまくいくのだと、手前勝手に思い込んでいた。だが医療とは、そんな安易なものではない」。転機を悟った一止は、より良い医師となるため新たな決意をするのだった-。
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