「おしい!」を「おいしい」に 広島県の自虐的?プロモーションに注目集まる
大河ドラマ「平清盛」が1年間放映され、この春からはアニメ映画「ももへの手紙」が公開と、その舞台として注目が集まる広島県。この機を逃すまいと観光誘客に活発に動くが、一風変わった観光キャンペーンも展開している。その名は「おしい!広島県」。それだけ聞けば"自虐的"とすら思わせるが、知名度向上に向けた一大プロジェクトなのだ。キャンペーンは3月にスタートした。広島県観光は観光資源は豊富なのに、いまいち全国的な知名度に欠けると判断し、この現状を「おしい」と表現。「おしい」が「おいしい」に変わるよう広島の魅力を伝えていくのがねらいだ。この一風変わった戦略が当たり、ウェブサイトを中心に話題を集めている。
キャンペーンで発足させた「広島県おしい!委員会」委員長には、同県熊野町出身のタレント・有吉弘行さんが就任。そのほか、広島市出身の歌手・西城秀樹さんや、プロ野球広島カープOBの山本浩二さんや達川光男さんら県出身の著名人が委員会メンバーに名を連ねる。
ウェブサイトではプロモーション動画や、「おしい!」認定された観光素材を紹介。「修学旅行で行ったきり?」の宮島・厳島神社や「読み方がわからない」の鞆の浦(とものうら)、「店舗数日本一なのに"広島風"と言われる」のお好み焼きといったビッグネームも「おしい」名鑑に収まってしまうという"控え目さ"がユニークだ。サイト上の「おしいね」ボタンをユーザーが押した数が一定数たまれば「おいしい」認定に変わるという仕組みになっている。
そのほか、ユーザーから広島県に関する「おしい」話題を投稿してもらう企画などもラインナップ。「おしい」が「おいしい」に変わるその日まで、広島県は走り続ける―。