マーケティングの重視を
DMOなど地域にお金が落ち、経済的に自立した観光地になるような取り組みが各地で始まっている。ある温泉地では、宿泊はもちろん飲食や施設入場など地元での消費増に注力した取り組みを行っており、階段をひとつずつ上るように地域の地盤を固め、成果を出しつつある。その元になっているのはマーケティングだ。関東や関西、中部から来訪する観光客が旅行会社やOTAの扱いなのか、個人なのか、どの交通機関を使って来ているのか、月別に情報を収集し、毎月の数字達成のための営業活動を行っている。2016年度も年間目標観光客数を予定どおり達成した。
この温泉地の場合は旅館がイニシアチブをとって進めているが、地域へ誘客するためには、まずマーケティングに取り組むべきと力説する。マーケティングという根本がなければDMOどころか地域の活性化などできない、と断言している。旅館も単体の営業ではなく、地域あげての競争に積極的に関わっていく時代になったのは間違いない。
商店街や旅館、地元産業が一体となって地域独自の魅力を見い出し、商品力をつけて売り出す必要がある中、まず旅館が協力し合って動き、マーケティングを中心にイニシアチブをとって、地域のけん引役になっていくことが重要だ。
(トラベルニュースat 17年6月10日号)