幕末京都を彩った薩摩の魅力 鹿児島県・明治維新カウントダウンシンポ
来年迎える明治維新から150年を前に、鹿児島県の歴史の魅力を伝えようと「明治維新カウントダウンシンポジウム」がこのほど、京都市左京区のロームシアター京都で開かれた。今年150年を迎えた大政奉還の舞台・京都の地で、幕末の雄・薩摩の活躍と魅力に迫った。シンポジウムは、鹿児島県らで組織する観光かごしま大キャンペーン推進協議会と読売新聞西部本社が主催。明治維新150年を見据え、観光誘客につなげようと2013年から東京や大阪など薩摩藩と関わりのある幕末の舞台となった地で開かれており、大政奉還150年記念プロジェクトを主導している今回の京都が最終回となる。
基調講演はテレビ番組でも活躍する歴史コメンテーターの金谷俊一郎さんが「幕末京都を彩った薩摩の魅力」と題して登壇。日本一の貧乏藩という状態から立て直し、幕末期に時代の表舞台に躍り出るまでになった薩摩藩・島津家の活躍を紹介した。
金谷さんは島津斉彬の富国強兵や人材登用、のちの世界遺産となる集成館建設など他藩に先駆けた藩政について、公武合体を目指す島津久光の時代に入り倒幕へ傾いた流れを詳説。「維新は薩摩と長州、京都の朝廷が絡み合って起きたこと。それぞれの立場がわかれば面白い」と幕末期の歴史の楽しみ方を提案した。
パネルトークでは金谷さんに加え、幕末維新ミュージアム霊山歴史館副館長の木村幸比古さんと鹿児島県立図書館館長の原口泉さんが、西郷隆盛をはじめ幕末の薩摩と京都を取り巻くトピックについて語り合った。
3氏がパネルトーク
木村さんと原口さんは大政奉還の真実や島津家と京都のつながり、京都にある薩摩藩ゆかりの地などについて豊富な知識を披露。木村さんが、隆盛や小松帯刀らが祇園で遊んでおり「祇園の夜から維新は始まった」と語るなど裏話もふんだんに交え、ここに金谷さんが加わった丁々発止のやりとりに客席からは歓声が上がっていた。
金谷さんは「鹿児島を訪れ西南戦争ゆかりの地を巡ってはどうでしょうか。その前に歴史を学んでおくと楽しさも倍増します」と客席に呼びかけていた。