新幹線効果持続へ 福旅協・石旅協共栄会が合同総会で取り組み確認
福井県旅行業協会共栄会(伊藤和幸会長=まつや千千)と石川県旅行業協会共栄会(小田孝信会長=加賀屋)の合同総会が昨年12月、石川県山代温泉のゆのくに天祥で開かれた。福旅協、石旅協共栄会のいずれも会員増強の推進と受入会員への集中送客、受入会員のパンフレット配布や情報宣伝、情報交換を行うことを決めた。伊藤会長は「2016年は度重なる地震や台風など自然災害に見舞われ、観光業界にとっては厳しい1年だった。北陸では4月以降、昨年ほどではないが北陸新幹線の効果で首都圏からの個人旅行やグループ旅行は好調に推移した」と話し、今年度は福井の知名度をアップし、さらなる誘客を図る考えを示した。旅館の人手不足にも言及し、場当たり的な対応ではなく働きやすい労働環境づくりの必要性と生産性の向上を訴えた。
小田会長も「国際情勢の変化が観光業界にとってどのような影響が出るかわからない」と述べ、「そういう時代だからこそインバウンド客へのしっかりとした対応が必要だ」と話した。また、自身の旅館がある和倉温泉では前年と比較すると宿泊客は10%減になったことを報告。「10%と言っても人数では10万人減ったことになり、これはたいへんな数字だ。これ以上下がると北陸新幹線金沢開業は一過性のものになってしまう。今年度はまた来ていただけるお客様づくりを構築する年にしたい」と語った。
北陸ではユネスコの無形文化遺産に、富山県高岡市の高岡御車山祭の御車山行事、石川県七尾市の青柏祭の曳山行事など4つが選ばれた。小田会長は「観光に結びつけた誘客活動の取り組みを行っていこう」と呼びかけていた。
伊藤、小田両会長とも3月3日に金沢で開かれる全国旅行業協会主催の第12回国内観光活性化フォーラムin金沢が成功裡に終わることができるよう協力を要請した。