わかる古事記
今年は現存する日本最古の歴史書「古事記」が編さんされて1300年。数多くの古事記関連図書が出版されているが、「マンガ遊訳 日本を読もう 」は、あらすじと本文に加えてマンガを駆使して古事記の世界をわかりやすく読み進めるように構成。タイトルに「マンガ遊訳」と入っているように、マンガを通して古事記の物語の世界に入っていくことができる。
マンガで古事記の世界へ
監修者は(1)初めて古事記に触れる方はおもしろそうな絵のページから読み進めてください。拾い読みで結構です。少しずつ古事記の世界に入っていけます(2)古事記を神話だと思っている方は、中下巻以降から目を通してみてください。人間味あふれるストーリーを味わうことができます(1)よく古事記をご存じの方は、ご自分の解釈と本書の内容を比較しながら読み進めてください。これまでとは少し違う古事記を発見できると思います―と本書の3つの読み方を紹介している。
古事記の初心者から愛読者まで、どのような読み方をしても本書では古事記のダイナミックなストーリーを楽しむことができる、と言っているわけで、確かに文章だけは伝わりにくい部分はマンガを通してみると非常にわかりやすい。これは古事記初心者にはありがたい。
古事記の神話の世界を知っている人には中下巻から読むと興味深い。自身の古事記像を持っている人にとっては、対比して読むとさらに古事記の世界が広がるぐらいの内容を持っている。
また古事記の世界だけでなく、神々や天皇の系図、近畿・中四国・九州の神話ゆかりの地のマップ、歴代天皇の宮跡なども紹介してあり、古事記の時代背景が理解しやすくなっている。
監修は大阪府立大学の村田右富実さん、文は脚本・作詞家の村上ナッツさん、マンガはマンガ家のつだゆみさんが担当している。
定価は本体1400円+税。