全旅協、"観光復興支援"に注力 東北・東日本CPを展開
全国旅行業協会(二階俊博会長、5489会員)はこのほど、東京都品川区のホテルラフォーレ東京で通常総会を開いた。冒頭、あいさつに立った二階会長は4月の関越自動車道で起きた高速ツアーバス事故に触れ「あれだけの事故を起こしたにもかかわらず、観光業界は反省が足りない」とし、「お互いに反省の上に立って再び今回のような事故が起きないように努力しなければならない」と訴えた。
観光庁の又野己知次長は、二階会長の高速ツアーバスの話を受け「再発防止のため全力をあげて取り組みたい。どのように克服し改善するかは業界の皆さんと手を取り合って考えたい」と語った。
2012年度事業では観光庁や関係自治体などと密接に連携し、東日本大震災による風評被害の払しょくと送客支援活動を進めることを決め「東北・東日本観光復興支援キャンペーン」を行うことを明らかにした。
また海外事業としては韓国・麗水世界博覧会への協力や日中国交正常化40周年記念事業として2千人規模の訪問団を結成して中国の西安を訪れる「弘法大師・空海を偲ぶ日中交流訪問団」の送客に取り組む。
公益法人制度改革についての諸問題について「一般社団法人移行に係る支部の基本的な考え方」として説明。(1)移行後の支部は「協会支部」として本部の指揮監督の下で業務を行う(2)協会会費は本部会費および支部会費とし、双方を合算して徴収する(3)各都道府県に設立される「一般社団法人○○都道府県旅行業協会」を受け皿組織とする―ことを決議した。
ただ、会場から受け皿組織をつくる意味や会費徴収が不明瞭といった質問が出たことから、8月2日に開く支部長説明会で再度説明し、各支部や会員への理解を求める方針だ。
総会後に開いた懇親会では、東日本大震災の被災地である福島を支援する考えから、福島から取り寄せたもち米で餅つきを行い、会場の参加者に振る舞われた。