ツアーバス8割が違反 国交省、全国298社を監査(2)
重点監査は、過去1年間に監査していなかった貸切バス事業者が対象。全国298社を5月以降に順次立ち入り検査し、8割以上にあたる250社に法令違反を指摘した。違反で多かったのは乗務時間の基準に関するもの。64.4%の192社にのぼった。次いで、運転者への指導監督に関する違反が39.5%の118社、営業区域外での運送は16.7%の50社に認められた。運転手の乗務時間超過など指摘
重大な違反があったのは48社。日雇い運転者を複数選任していたりした。名義貸しも1社あった。
また、高速ツアーバスを企画実施している旅行会社59社も集中的に検査を行い、47.4%にあたる28社に法令違反を指摘。取引条件説明書の未交付、記載不足などが21社で特に多かった。
国交省では、高速ツアーバス運行事業者リストを作成、このほどホームページで公開も始めた。旅行者や旅行会社が高速ツアーバスを利用・企画する際に参考にしてもらう。
リストには、今夏の多客期以降に高速ツアーバスを運行する予定の貸切バス事業者231社(7月17日現在)を記載。各社ごとに保有バス台数などの概要、日本バス協会が星印で示す「貸切バス事業安全性評価認定制度」といった安全に関する自主的な取り組み、緊急重点監査の状況などが一覧で表記されている。旅行会社が自社ホームページにバナーをはってリンクすることも可能だという。リストは随時更新する。
一方、厚生労働省はツアーバス会社など339事業所の緊急監督指導を実施。労働時間の超過や割増賃金の不払いなどで、95.6%に及ぶ324事業所が労働基準関係法令に違反していたと明らかにした。同省では是正勧告書を交付した。
(トラベルニュースat 12年7月25日号)
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