次代の観光産業担う宿経営者を育成-観光庁の講座から(3) 集客力向上に"4つの柱"
3コマ目は紀州・白浜温泉むさしの横田浩元支配人が「集客のための戦略―大型旅館 総支配人の仕事」と題し話した。横田元支配人は「旅館経営で大事なのは集客力。これがすべてであると言っても過言ではない」。そのためには事業目的を明確にする、売上を最大に伸ばす、旅館の商品力を高める、クレーム対応の4つが柱だとし、20数年に渡り取り組んできた実践学を披露した。
最盛期の旅館は全国で8万軒あったが昨年には4万7千軒にまで減少している。その中で「むさしが年間12万人を集客し、勝ち組として残ってきた」のは4つの柱を中心に進めてきたからだと訴えた。
具体的には「事業目的の明確化」として全社員参加の報告会を実施し報・連・相を徹底したほか、毎月の月間予算を確認する全体会議を開催。「売上を最大に伸ばす」では年度予算、集客人数、総売上高の戦略・戦術の検討、個人旅行や団体旅行、教育旅行、メディア旅行などで売れる仕組みづくりを行い競合に勝つ攻めの営業を展開してきた。さらに「旅館の商品力を高める」では宿泊客アンケート、口コミ評価を重視し料理やサービスに活用し、「クレーム対応」では「とにかく謝り、納得のできる説明を行って結果を出し、自館のけじめを行ってきた」と話した。
最後に「集客力なくして旅館は成り立たない。そのためオフシーズンこそチャンス、マーケットを絞り込んだ企画、旅行会社との対等な関係を構築して勝ち残ってほしい」と伝えた。
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