とっておきのはんなん(1) 大阪府阪南市の取り組みを語る
大阪府阪南市では3年前に「阪南はなやか観光協会」を設立し、里海・里山などの地域資源の活用や産業観光に取り組み地域の活性化を図っている。福山敏博市長と同協会の前田栄次会長に取り組みについて聞いた。産業観光など素材を磨き上げ
―阪南市の観光の魅力とこれからの展望を教えてください。
福山 本市は、関西国際空港の目の前にあり、里海・里山など自然環境に恵まれたまちです。
海側には尾崎港・西鳥取漁港・下荘漁港の3漁港があり、泉ダコや海苔などの海産物が豊富です。平野部では泉州漬物の代名詞となっている水ナス、泉州玉ねぎなどの農産物に加え、和泉山脈からの地下水を利用した造り酒屋もあります。
その魅力をどのように情報発信していくか。3年前に「阪南はなやか観光協会」を設立し、点在する観光資源を掘り起こすとともに、今年度は観光振興戦略ビジョンを策定するなど阪南市の観光は始まったばかりです。
地域の観光資源を掘り起こし磨くことは重要ですが、広域的な観光の連携も必要です。そのため堺市以南の9市4町と関西エアポート株式会社で組織する「泉州観光プロモーション推進協議会」を通じて、関空イン・関空アウトのインバウンドに対し泉州の観光情報などの発信にも積極的に取り組んでいます。
阪南市観光の発展へ手を携える福山市長(右)と前田会長
―観光協会はいかがですか。
前田 市長が言われたように設立から3年目を迎えて、これまで掘り起こしてきたものがようやく形になりつつある状況です。観光関連事業者だけでなく、商工業・漁業・農業事業者の活性化も観光協会を設立した目的のひとつで、産業観光も推進しています。具体的には水ナスの収穫や海苔すき、機織り、利き酒など各種体験ツアーを実施中です。
4月から本協会に民間から事務局長を迎え、観光素材開発や各種イベントの開催による観光客の受入促進、交流人口拡大に努め、市民の皆さんや関係団体の認知度も高まってきています。観光協会の事務所移転を機に、レンタサイクルや手荷物の預かりなど自主事業を始める予定です。インバウンドの招致にも力を入れます。ムスリムの来訪も視野に入れ、更衣所や礼拝所を観光協会内に設置しています。
―尾崎駅は南海電車の特急停車駅で、阪南市の玄関口になるわけですから、もう少し整備した方がいいように思います。
福山 確かにその通りです。尾崎駅は特急停車駅であり、まちの玄関口となる拠点の駅です。駅前に広場があるだけで、まちのイメージは全然違うので現在、整備に向け準備を進めています。
本市では魅力的な海産物があっても食べることができる大型の施設がないので、港をフイッシャーマンズワーフといった形にしたいと考えています。今後は、観光協会と市が連携し、各種観光事業の展開を行って交流人口の増加を図り、定住人口の拡大につなげたいと考えています。
前田 同感です。観光協会も全面的に協力させていただきます。
阪南はなやか観光協会
阪南市
阪南市商工会
→とっておきのはんなん(2) 産業活性化へ「阪南ブランド十四匠」に続く
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